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「クリスマス恒例持ち芸披露大会、IN 2002〜!!!」
「イエーイ!」
「ヒューヒュー!」
「今年もやるんか〜い!」
「覚えてる人いなさそ〜!」
「ぶっちゃけ作者も忘れてたぞ〜!」
 と、いうわけで。
 やってきましたクリスマス。
 今年もやります持ち芸披露大会。
 ホントに作者も忘れてました。


聖夜のお楽しみ〜IN 2002〜

作者:カッツォ


「1番、雛子!」
 お、今年もほのぼのから始まる……
「瓦割りやりま〜す!」
 始まる……んじゃないのかよ!
 咲耶の影響受けすぎ。
 まぁ、さすがに割れはせんだろ……
「ふぅ……」
 雛子がゆっくりと息を吐き出す。
 かなりマジな目だ。
「はぁ!」
 そして気合一閃。
 まっすぐ落とされた拳は、瓦を真っ二つに割った。
 しかも5枚。
「うそぉん……」
 おにいたま、ちょーショック……



「2番、亞里亞……」
 うん、今度こそほのぼの……
「お菓子の早食いやります……」
 ほのぼの……なわけないよね……
 ちょっと涙する俺をよそに、大量のお菓子がセッティングされる。
 積み上げられたお菓子は、亞里亞の身長に近いほどある。
「いきます……」
 亞里亞が少し息を整えた、その次の瞬間。
 お菓子は消えた。
 一瞬で、一欠片も残さず、っていうか皿ごと。
「……はい?」
『おぉ〜!』
   パチパチパチパチ……
「いやいやいやいや! え、何、見えなかったぞ!? なんで皿まで無くなってんの!?」
「女の子の体は神秘的です……」
「そういう神秘さはいらんだろ!」
 っていうか、そんな言葉じゃ片付けられんだろ。



「3番、可憐。歌いま〜す!」
 ピアノが上手い可憐だが、歌も非常に上手い。
 可憐、君の歌声は素晴らしい。
 あぁ、素晴らしい。
 でもね……去年のピアノが好評だったからかい?
 なんで、今年も『魔王』なんだ……
「Mein Vater, mein Vater, und hoerest du nicht,Was Erlenkoenig mir leise verspricht?」
 しかもやたら低音だし。
「Willst, feiner Knabe, du mit mir gehn?Meine Toechter sollen dich warten schoen」
 すごい感情こもってるし。
「Mein Vater, mein Vater, und siehst du nicht dor tErlkoenigs Toechter am duestern Ort?」
 なんか1人で二重唱やってる気がするし。
「Mein Vater, mein Vater, jetzt fasst er mich an!Erlkoenig hat mir ein Leids getan!」
 恐いっての。



 次は衛か……最後の砦って感じだな……
 今年まともな芸が見られるかどうかは、こいつにかかってる気がする。
「4番衛、皿回しやります!」
 まとも……かどうかは微妙だが、とりあえず普通ではあるな。
「よっ! ほっ! はっ!」
『おぉ〜!』
 掛け声と共に、衛は次々と皿を回していく。
 両手に2枚ずつ、右足に1枚、合計5枚を体の上で回している。
 うむ、こりゃ凄い。
「フィニッシュ!」
 その声と同時に、5枚の皿が全て空中に投げられる。
「はぁ!」
 そして、全てが割れた。
 地面に落ちたわけじゃない。
 衛も皿に触れていない。
 衛の気合いと共に、空中で砕け散ったのだ。
 ……説明してても信じられんが。
『おぉ〜!』
「いや、そんな素直に感嘆していい場面じゃないだろ!」
 やっぱりオチ付きだったのかよ……



「5番花穂、お花を育てま〜す!」
「………………?」
 お花を育てる?
 確かに持ち芸ではあるかもしれんが……どうすんの?
「まず、種を蒔きま〜す。で、お水をやって……」
 と、花穂は楽しそうに作業を進めていく。
 いたって普通の園芸。
 まさか、完成品をこちらに用意してあります、なんてオチじゃないだろうな……
「最後にこの特製の肥料をあげて……あとは、13秒待ちます!」
 花穂は、これまた楽しげにカウントダウンを始める。
 なんか、激しく嫌な予感が……
「2……1……完成!」
 カウントダウンの終了と共に、鉢の土が勢いよく盛り上がった。
 そこから、見たこともない植物が現れる。
 ……口のある植物を果たして植物と呼べるのかどうかは疑問だが。
「……魔界の植物?」



 隣で奇妙な植物(?)が俺を喰おうとしていても、進行には何の滞りもない。
 兄さんとしては、ちょっとぐらい滞って欲しかったなぁ……
「6番咲耶、お兄様への愛(ラブ)を表現します!」
 愛(ラブ)?
 ポエムでも詠むのか?
 何にせよ、その『お兄様』は今まさに喰われようとしてるんだけど……
「え〜、取り出しますは、このとっても分厚いノート」
 と、咲耶は電話帳の1,5倍程のノートをポケットから取り出す。
 やっぱり詩でも詠むのだろうか。
 ちなみに、『厚すぎだろ!』とか『ポケットに入んねぇだろ!』とかのツッコミはやるだけ無意味なので省略。
「このノートを……それっ」
 可愛い掛け声とは裏腹に、ノートは激しい音をたてて真っ二つに破れた。
 もう1度言うが、電話帳の1,5倍ほどの厚さだ。
「……それが愛(ラブ)?」
 その後咲耶は机、金属バットなどを次々に破壊していき、終いには……いや、もうやめておこう。
 後はご想像にお任せします……



「7番はわたくし鞠絵です。この特別に調合した薬を……あ、兄上様、ちょうどいい具合にお怪我をなさってますね」
「ちょうどいい具合にってお前……」
 確かにさっきの植物(?)に噛まれた傷はあるが……
 ちなみに、植物(?)はついさっきどこかへ去っていった。
 何でも、ある程度成長すると住処を探しに行くらしい。
 街で突然あんな植物に会ったらと思うと……思うと恐いので、想像するのはやめておこう。
「でも大丈夫です。この薬をつければ、一発で治っちゃいますよ」
「……何か泡立ってるんだが?」
「かけるだけでOKの、とっても簡単な使用法です」
「『かける』って何かおかしくないか!? 普通『塗る』だろうが! いや、ちょっと……うおっ!」
 有無を言わさず、ビンの中の液体は全て俺にぶっかけられた。
 別にしみるわけでもないし、ヘンな匂いもしない。
 ただ……
「ね? 傷がふさがったでしょう?」
「確かに傷はふさがったが……」
 ただ、傷口から変な生き物が出てきた。
 にやけたスライムみたいな奴が……
 ケケケ……と笑い声をあげながら、ぐにょぐにょ動いている。
「どうすんだよこれ!」
「でも、傷はふさがったでしょう?」
「こんなんに塞いでもらっても嬉しくないわ!」
 ちなみにこの生き物は、1週間ほどで消え去った。
 普通に傷の治り待った方が早かったんじゃねぇか……?



「8番、鈴凛ちゃん! 今年も新しい発明品を披露しちゃうよ!」
 フフフ……と笑った後、鈴凛は後ろに隠していた手を出した。
 そこには、ハンドボールぐらいの大きさの物体が布を被せられて乗っていた。
「今年の発明は……この、メカテレビくん!」
 勢いよく布をとると、ちょっとでかいゲームボーイに足をつけたようなのが出てきた。
 厚さを10センチぐらいだろうか。
 足は、人間と同じようなものが4つついている。
「……っていうか、テレビって元々メカなんじゃないの?」
「もぅ、細かい事は気にしない! それよりホラ、ちゃんと見てよ!」
「画面が小さすぎるぞ」
 そう、画面の大きさは、それこそゲームボーイ……もしかすると、それ以下かもしれない。
 たとえ映ったとしても、見にくくて仕方ないだろう。
「ま、テレビはオマケみたいなもんだからね」
「『メカテレビくん』なのに!?」
「それよりも、もっと凄い機能がついてるんだよ!」
「ほぅ……どんな?」
「なんと、このメカテレビくん……自力で歩行できるのだ!」
 見たまんまじゃねぇか。
「で、他には?」
「え? そんだけだけど?」
「……次、白雪いってみよー」
「なんでよ! 便利じゃん、歩けたらさ〜!」
 なんかごちゃごちゃ言ってるのは無視して、次に移ります。



「9番、姫は玉ねぎをみじん切りをやりますの」
「……あれ? それって去年と同じじゃないか?」
「ウフフ……去年とはレベルが違いますの。全然別物ですの」
「そ、そうなのか?」
「そうですの。にいさま、去年の姫のタイムは?」
「えぇと……確か、30個を30.31秒だ」
 なぜ覚えてるのかは聞かないように。
「衛ちゃん、タイムをお願いしますの」
「え? いいけど……なんでボク?」
「一番動体視力が凄そうだからですの」
「ふ〜ん……ま、いいか。じゃあ始めるよ? ヨ〜イ……スタート!」
 衛の合図と同時に、行く筋かの光が走った。
 いや、光のようにしか見えなかったがあれは……
 玉ねぎが全部きざまれてるのを見ると……
「すごい! 0.21秒だよ!」
「これが、今の姫の実力ですの」
「すごいよ! たった1年で30秒以上タイムを縮めるなんて!」
 いや、そこは問題からずれてるだろ。
 それにしても白雪、お前はいったい何を目指してるんだ……
「あ、にいさま、もちろん切った玉ねぎは食べてもらいますの」
「……そこは同じなのかよ!」



「10番春歌、熊殺しをやらせていただきます」
 うぅ、玉ねぎが辛……………………熊? 殺し?
「この日のために捕まえてきた熊ですわ」
 特別ゲストを迎えるかのようなノリでドアを開けると、そこには熊さんが。
 冬眠中に無理矢理起こされたような、とても不機嫌な顔をなさっているように見えるのですが……
 で、その熊さんがなぜか俺の方をギロっと睨んだ。
「……なんで?」
 熊がこっちに向かって走ってくる。
 俺の方はといえば、妹達との何度か死にかけながらも楽しい日々を思い出していた。
 ちょっと走馬灯を見るには早いんじゃないのか、マイブレイン……
「はぁ!」
 走馬灯の景色に混じって、春歌の姿が見えた。
 そして、ゆっくり倒れていく熊。
 ようやく意識がはっきりした頃、それが現実だと悟った。
「ふぅ……兄君さま、楽しんでいただけましたか?」
 短い間に色々ありすぎて、脳がついてこない。
 楽しめるか! とも言えなかった。
「明日は熊鍋か……おいしそうだなぁ……」
 代わりに出てきたのは、なぜかそんな言葉だった。



「11番の四葉は、兄チャマフォトコレションを披露デス!」
 何冊ものアルバムをドンと置いて、四葉は言った。
 俺の写真か……多少恥ずかしいが、結構まともっぽいな。
「すご〜い! これ、全部四葉ちゃんが撮ったの!?」
「そうデスよ。エッヘン!」
「あ、このお兄様かっこい〜!」
「でしょ? その写真は、四葉もお気に入りなんデス」
 妹達がわいわい騒ぐ中、俺も何となく懐かしい思いに浸っていた。
 たまには、こういうのもいいな。
 明らかに盗撮っぽいのが多いのは問題だが……
「これが、兄チャマが中学生の時の写真デス」
「へぇ〜、アニキ若〜い」
「はは、今も若いっての」
「これは、兄チャマの小学校入学の時の写真デス」
「あ、かわい〜」
「あぁ、そうだ……な……?」
「で、これは兄チャマが1歳の時の……」
「いやいやいやいや、ちょっと待てぃ!」
「何デスか?」
「俺が1歳って、お前まだ生まれてないだろうが!」
「フフ……名探偵に不可能はないのデス!」
「探偵関係ない!」
 そうだ、父さんか母さんが撮った写真だな。
 うんうん、そうに違いない。
 そうに違いない……と思っておこう……



「12番……千影……」
 ぐ、今年もトリはこいつか……
 でも今年は何も飲んでねぇし、去年みたいにはならないだろ……
 ならない……よな?
「さぁ……それはどうかな……?」
「っておい、まさか……」
「そこまで期待されては……応えないわけにもいかないだろう……」
「期待してねぇって!」
「出でよ、悪魔さん……」
「やっぱりですか!?」
 千影の体が光り始め……って、何かこの光景去年見たよね……
「おぉ! 今こそ私の『サンダースタンガンジャスティスインフィニティ』を試す時だね!
「去年のネタ今頃引っ張ってくんの!? 意味不明に名前パワーアップしてるし! カタカナ続きすぎてわけわかんねぇよ!」
「フフ……熊殺しの次は悪魔殺しですか……楽しめそうですね」
「俺は楽しめねぇよ!」
「おにいたま見て見て! ヒナ、悪魔さんをやっつけたよ! エライ? エライ?」
「やっつけたの!?」
「おいしかったです……」
「喰った!?」
 


 今年も、クリスマスに相応しい12の笑い声と、クリスマスに似つかわしくない1つの叫びが、遅くまで響き渡りましたとさ。

「メ・メリークリスマス…」
「「「「「「「「「「「「メリークリスマス!」」」」」」」」」」」」










あとがき

どうも、カッツォです。
ついこの間思い出し、慌てて書きました。
しかし、我ながら完成したことにはビックリです。
いやはや、結構ネタは出てくるもんですね。
去年と別のは出ないだろ……と思ってたんですが。
まぁとにかく、皆様、メリークリスマスです!
今年の私のSSはこれで最後でしょう。
来年もよろしくおねがいしますね!
え〜っと、とりあえず(いろんなことで)ごめんなさい。
感想はもちろん、てめぇふざけんじゃねぇ、というものまで何でもいいので送っていただければ幸いです……



カッツォへの感想はこのアドレスへ
1483sy@hkg.odn.ne.jp

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